2013年4月29日月曜日

XCO CROATIA CUP VODICE 2013:レースレポート



大会名:   XCO CROATIA CUP VODICE 2013
開催日:   2013/4/28
開催場所:  クロアチア・Vodice
カテゴリー: アンダー23(エリートと混合)
リザルト:     9位(アンダー23では4位)
天 候:   晴れ
コースコンディション: ドライ

人生2度目、そして今月2度目のクロアチアにやってきた。
金曜日に朝一番のフライトで出発。前回のクロアチア遠征は空港から遠い会場であったので移動が大変であったが、今回は空港からたったの60kmほど。飛行機が早い時間であったこともあり、朝の10時には到着。移動の疲れを抱えること無くレースに挑めそうだ。

今回レースが行なわれるのはアドリア海沿いのVodiceという町。昔はこの辺りはイタリア領であったらしく、街の雰囲気は映画「紅の豚」そのままの景観だ。とても美しい町でバカンスに訪れている外国人も多い。金曜日は休養日であるので、自転車は組み立てただけでトレーニングは行なわず、少し街を散歩したりしながらゆっくりと過ごした。今週も連戦の疲れが溜まっていて火曜日、水曜日の練習は全く冴えなかったが、木曜日の追い込み練習は割りと良い調子と感覚でこなすことができた。そして今日(金曜日)の休養日で、身体が一気に回復してきているのを感じる。

土曜日。午後から雨が降る予報であったので午前中のうちにコース試走を行なった。レースの日も雨であるならばマッドコンディションのコース状態で試走をした方が良いが、明日は晴れの予報であり気温も高いのでコースはドライコンディションに回復するはずだと判断。

1周5.2kmのコースで、前半は農作業道を使った砂利道の登りが続き、海が見下ろせる山頂まで登ったところでシングルトラックに入って行く。全体的にテクニカルなセクションはないが細かい石が多いのでタイヤが流れ易く、スピードを出して走ると難しいコースだ。登りもそれなりに斜度があるところが多く、下りで得たスピードをいかに殺さずに登りに入れるか、またその時に最適なギヤ比の選択が出来ているかが重要になってくるように感じた。

そして日曜日。いつものようにレーススタート1時間前からウォーミングアップを開始する。コースオープンになっていたので、路面状態を確認するために1周だけコース試走へ。やはり雨の影響は全くなく、むしろ少し土が締まったことで昨日よりも走り易く感じた。石が少なくて少しでもトラクションがかけやすいライン、フロントギヤをアウターからインナーに換えるポイントを頭に叩き込んだ。今回の目標はシングルリザルト(9位以内)に入る事であり、この目標は自分にとってぎりぎり達成できるかどうかといったところ。チェーントラブルやパンクを起こすと確実に無理なので、いつも以上に気を使った。アイウエアは普段のMTBレースではRadarの調光レンズを使うことが多いのだが、今回は日差しが強烈なためRacing Jacketのブラックレンズを選択。紫外線からくる疲労を防ぐためだ。

スタートラインには5人ずつしか並ぶことが出来ず自分は5列目。最初のコーナーまで50mほどの距離しかなく、さすがにこの位置だと厳しいので、とりあえず5列目の一番左端に並んでおいた。ここであればスタート直前に左手のフェンスとの隙間を縫って前の列に割り込んでいけるだろう。

狙い通りスタート30秒前に3列目に割り込み、ピストルの音で一斉にスタート。最初のコーナーには一番滑りにくい理想のラインで突入できた。多くの選手が砂利の路面にタイヤを滑らせている。後ろにいるのは危険だ。ポジションを上げるべくダブルトラックの農道で全力でペダルを踏み込んだ。あっという間にポジションを上げて、先頭の選手に追い付いた。そのまま先頭集団で走行。自分は5番手であるが、やはり先頭のペースは速くてシグルトラックの登りに入ると若干距離が空いてしまう。一周目は第2集団の先頭6番手で通過。先頭集団とはそれほどの距離は無いが、追い付くのは難しい。第2集団の3人で走る。

身体の調子は決して悪くはないが、絶好調であった先週のレースに比べると心拍数が5拍ほど低く今ひとつパワーが出てこない。早くも身体に余裕が無いのを感じる。登りで小さいミスを連発してしまい、少し前の2人に差をつけられた状態で3周目へ。10秒も無いほどのタイム差だが、下りと平坦区間で踏み込んでも縮まらない。ここで6位パックである第2集団に復帰出来れば、シングルリザルトでゴールできる可能性が一気に高まる。頭では分かっているのだが身体が動いてくれない。

8番手単独になってしまい4周目へ。そしてコース後半で後ろから集団で選手が追い付いてきた。これは予想していた事なので驚かなかったが、数えると3人もいる。ということは少なくてもこの集団の2番手でゴールしなければシングルリザルトは達成出来ない。スタートから無理をしてきたことで身体に余裕は無い。このままずるずると抜かれて11位になっても不思議じゃない状態であった。いったん補給をとって折れそうな心を奮い立たせる。とりあえずこの集団の先頭を走り続けること。他の選手も余裕は無いはずなので、テクニカルなセクションでミスをして離れていく可能性はあるはずだ。

そして5周目に入る。テクニカルな登りは丁寧にこなすのではなく、スピードの緩急をつけてパワーをかけて登るようにする。その方が後ろの選手がミスをし易いかと思ったからだ。下りはコースの先をみて、直線のスピードよりもコーナーをスムースに繋いで行く事を意識する。ぴったりと一人の選手が着いてきている気配を感じるが、振り返ると残りの2人とは少し距離が開いてきている。ここが勝負所だと思い、最終周回のことは気にせず全力でペダルを踏み込んだ。後ろの選手は僕のことをぴったりとマークしていて前に出てこない。おそらく最終周回でこの選手には負けてしまうだろうが、それは仕方ない。今は出来る限り後ろの2人との距離をあけておく必要がある。

そして2人のパックで最終周回へ。コース前半の一番脚にくる登りでずっと後ろにいた選手が前に出てきた。もう対応出来る脚が残っていない。一度下りで追い付いたが、再びシングルトラックの登りに入ると離されてしまった。9番手単独に。ゴールまで残り2km。どうやらこのままゴール出来そうだが、もう体力の限界を超えている。今までも2分の1の確率で脚をついているコース上で一番斜度がある登り坂を最後は乗車でカッコ良くクリアしたかったのだが、挑戦すると確実に脚をつると思いランニングでクリアのはずがそのランニングで両モモがつった。一瞬、脚が棒のようになり止まりかけたが、なんとか自転車に飛び乗り無理矢理脚膝を曲げてペダルを回す。下りもペダルの上に立つとつりそうだったのでシッティングでこなす。
そしてゴールへ。
UCIカテゴリー1で初めてのシングルリザルト。なんとか目標を達成することが出来た。

今回9位に入ったことでUCIポイントを12ポイント獲得。これで目標であった「ワールドカップ開幕までにUCIポイントを20ポイント獲得」を達成する事ができた。これは今年から出来た新たなルールで、UCIポイントが20ポイント未満の選手はワールドカップでは自国の代表ジャージを着用しなければならなくなったのだが(去年まではチームジャージでも黙認されていた)、今年がアンダー初年度の僕は当然シーズン開幕の時点でポイントはゼロ。しかし3月のポルトガルで1ポイント、先週のポルトガルで8ポイント、そして今回の12ポイントによって合計21ポイントとなり、本当にギリギリであったがワールドカップ開幕に間に合った。
今年のワールドカップもWAVEONEに制作して頂いているブリヂストンアンカーのチームジャージで走ることが出来る。この事は本当に嬉しい。


連戦で疲れが溜まっているため今週はレースには出場せず、アジア選手権に向けたトレーニングに専念します。
5月は中国でのアジア選手権に、ドイツとチェコでのワールドカップ2戦と勝負の月です。
このUCIカテゴリー1の大会の連戦で得た経験と自信を武器に戦っていきますので、
応援とサポートのほど宜しくお願い致します。
 
BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

使用機材
バイク        ANCHOR プロトタイプ

コンポーネンツ    SHIMANO XTR
ホイール       SHIMANO XTR
ハンドル                   SHIMANO PRO シマノプロ
ステム                       SHIMANO PRO シマノプロ
シートポスト        SHIMANO PRO シマノプロ
シューズ          SHIMANO SH-M315E

フォーク       SR SUNTOUR AXON 100mm(サンツアー)

ヘルメット                KABUTOOGK)レジモス スペシャル・チームカラー
グローブ        KABUTOOGKPRG-1

ウエア            Wave One  Legge Fit Pro 半袖ジャージ

サングラス                OAKLEY Racing Jacket

サプリメント         SAVAS(株式会社明治)
                              ピット イン リキッド・ SAVASスポーツウォーター・パワーアミノ2500。 


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