2013年10月9日水曜日

LIMBC:レースレポート




大会名:   LANGKAWI INTERNATIONAL MTB CHALLENGE 2013
開催日:   930日〜105
開催場所:  マレーシア・ランカウイ島
カテゴリー: オープン男子

—————————————————————————————————————————

【第一ステージ】 XCM 65km
リザルト:    16
天 候:   曇り
コースコンディション: マッド

第一ステージは距離65kmのクロスカントリーマラソンレース。
おそらくこれまでに経験したことの無いような長丁場のレースになるだろうと思っていたが、スタート前にゴール予想タイムは2時間半と聞き、高速なコースであることが予想できた。

数キロのパレード走行後、前日に行なわれたプロローグでのタイムトライアル(距離2,4km)での成績順にスタートラインに並んでいき、僕は27番目。大体3列目あたりからスタート。MTBに乗った100人を超える数の選手達が、アスファルトの路面をロードレースのように集団になって進んで行く。
オフロードに入ってからは下り基調のシングルトラックで、路面もかなりマッドコンディションで滑り易い。所々押しセクションもある。位置取りが悪くて30番手付近から前に上がることが出来ない。身体の感覚もあまりよくないので、ひとまず落ち着いて走ることに決めた。今日はマラソンレースなので、まだまだ距離はある。

5人程の選手とパックになりロードレースのように先頭交代をいれながら、レースを進めて行く。コースは田んぼのように深い泥区間や、乗車ではクリアできないような川渡りセクションがあったりして、かなりアドベンチャーだ。ただ平坦のアスファルト区間も多いので平均スピードは速い。中間ポイントを通過し、だいたい2時間40分くらいでゴールできそうだったので、それも計算に入れてしっかりと補給食と水分を取りながら走るようにした。

ラスト30kmの看板を過ぎても、自分の中にまだまだエネルギーが残っている感覚があり、調子も上がってきている。パンクなどのバイクトラブルを起こしたくないので、オフロード区間では自分のライン取りで走るために積極的に先頭を走るようにした。ここまで数人の選手とパックで走ることで安定したペースを刻めており、かなりの選手をパスしたので順位は上がってきているはずだ。

ぞしてラスト10km。一緒に走っている選手は僕を含めて3人になっている。先の見えにくいシングルトラックに先頭で入り、連続したコーナーを使ってアタック。差を広げることができたので、ここからは単独で走ると決めてゴールまで逃げる。ラスト5kmは殆どが平坦のアスファルトであったが、脚には力がみなぎっていて最後まで踏み抜くことができた。最後の直線で前に一人選手がいるのが見えたのでスプリントしたが届かず。16位でのゴールとなった。

いつも走っているクロスカントリーよりはずっと長いレースだったので、スタート前は体力的、精神的に乗り越えられるかという不安があったが、無事に力を出し切れることができた。普段トレーニングとして参加しているロードレースの競技時間が2時間半〜3時間ぐらいで強度的にも今回のレースに近かったため、常に落ち着いて走ることが出来たし、補給を忘れずにしっかりと取れたことが大きいと思う。
反省点としては、最初のオフロードに入る位置取り。今日は30番手あたりと出遅れてしまったが、ここを良い位置でクリアすればもっと速い選手がいる集団の中でその後のレースを進めていくことができたはずだ。明日の第2ステージは2列目からスタートできるので、もっと最初の位置取りを意識して走ろうと思う。

—————————————————————————————————————————

【第二ステージ】 XCP 45km

昨日よりは短いコース設定であるので、2時間ぐらいのレースだと予想してレースに臨んだ。
脚にそれほど疲労も残っていない。総合も16位になり、2列目からのスタート。
昨日よりも更に気合いが入っていた。しかし、まさか今日で僕のレースが終わってしまうとは思わなかった

前日の反省を生かしてスタート直後から位置取りを意識して、走る。アオフロード区間に入るまでのスファルトのアプローチが長くて、集団はまとまったままレースが進んで行く。
登りに入るたびにペースがあがるが、なんとか先頭が見える位置で食らいつき、オフロード区間には10番手前半で入ることが出来た。昨日よりもかなり良い位置だ。

昨日よりも距離が短いためか、前半から力がある選手は登りを使ってぐんぐんとペースを上げてくる。あっという間に前半の10kmを通過。そしてMTBでもギヤが足りなくなるほどの激登り区間に入る。路面はアスファルトではあるが苔が浮いていて滑り易く、なによりも初めて走る道で登り終わりが分からないために精神的にもかなりキツい。しかしこの前半の山場となる区間でしっかりと自分のペースでパワーをかけながら走ることができたおかげで、順位を上げることができた。1015番手の位置でレースを進める。

しかし、ここで予想外のトラブルが発生。なんとコースミス。というのも信じられないことだが大会主催者がコース看板の矢印を逆向きにつけていたのだ。しかもそれによって殆どの選手が正規のルートとは逆方向に走っていたのだが、後ろを走っている選手ほど前から選手達が引き返してくるのをみて、より速く正規ルートに復帰することが出来たために完全に順位が入れ替わってしまった。トップ10付近にいた選手が正規ルートに復帰したときには50番手ほどに順位を落としていた。

あまりにも納得のいかない事実。しかし本当の不運はここからだった。
メカトラブルが発生したのだ。エンド部分が破損し、バイクは走行不可能に。泥区間を昨日からずっと走り続けていたので、トラブルには常に注意はしていたのだが。手持ちの携帯工具では修理不可能であったために無念のリタイヤとなった。

ステージレースというルール上、明日以降のレースに参加することが出来なくなってしまい、僕のLIMBC 2013は終わってしまった。まさかこんな最悪な結末になってしまうとは。

今回は初めてのステージレースということで、僕自身とてもこの大会を楽しみにしていたし、調子も悪くなかった。まだまだ走ることが出来た。それだけに本当に残念な気持ち。また日本代表として参加している選手として、DNFという結果を残してしまったことが本当に悔やまれる。

—————————————————————————————————————————

しかし、ずっと下を向いているわけにはいかない。
夜には気持ちの整理もついて、次の目標であった日本でのJシリーズ最終戦に気持ちを切り替えようと思えた。そして今日までレースに出られなかった3日間、しっかりとランカウイ島でトレーニングを行なうことが出来た。悔しさから生まれる高いモチベーションを使って、次に進んで行きます。

6日間のステージレース中、ジャパンチームはレース以外でもトラブルが多くて生活するのもたいへんであったのですが、皆の力で乗り越えることができました。今後の選手活動にとって必ずプラスとなるような素晴らしい経験を積めたことは間違いありません。また、山本幸平選手が今大会で総合優勝をしたことで、日本人でもやれるんだということを強く感じた大会でした。

さて、次のレースはJシリーズ最終戦・一里野大会です。
MTBシーズン最後のレース、優勝で締めくくりたいと思っています。

応援の程、宜しくお願い致します。


BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

使用機材
バイク        ANCHOR プロトタイプ

コンポーネンツ   SHIMANO XTR
ホイール      SHIMANO XTR
ハンドル                  SHIMANO PRO シマノプロ
ステム                      SHIMANO PRO シマノプロ
シートポスト       SHIMANO PRO シマノプロ
シューズ         SHIMANO SH-M315E

フォーク      SR SUNTOUR AXON 100mm(サンツアー)

ヘルメット               KABUTOOGK)レジモス スペシャル・チームカラー
グローブ       KABUTOOGK

ウエア          Wave One ワンピース

サングラス              OAKLEY Racing Jacket 調光レンズ

サプリメント     SAVAS(株式会社明治)
                              ピット イン リキッド・ SAVASスポーツウォーター・パワーアミノ2500