2014年8月30日土曜日

UCI MTB WorldCup#7-Meribel:レースレポート

大会名:         UCI MTB WorldCup#7-Meribel
開催日:   2014824
開催場所:  フランス・Meribel
カテゴリー: U23
リザルト:        81位(−2ラップ)
天 候:   晴れ
コースコンディション: ドライ

いよいよ2014年のワールドカップも最終戦を迎えた。
ここまでのワールドカップで自分の力を出し切れたと感じるレースは開幕戦の南アフリカ大会のみ。その後はワールドカップに全戦出場という大きなチャンスを頂きながらも、どこか練習でやってきたことが噛み合わない不甲斐ない走りのレースになってしまっていた。ワールドカップ特有の非常にテクニカルでハードなコース設定、そしてスタートからゴールまで全力疾走で位置取りをしなければいけないレース展開に対応するために、漠然とハードな練習に取り組むのではなく、全てはレースのためという目的意識をしっかりと持って練習していくことの大切さを思い知らされた。ワールドカップで結果を残せなかったことは本当に悔しいが、少しでも世界に通用する走りがしたいという思いから日本にいた時は考えもしなかった走り方や練習方法を今シーズンは沢山見つけることが出来た。自分で考えて見つけた様々なことは一生の財産になると確信しているし、これからレースでの自分の走りを変えていくためにも、もっともっと練習していきたいという気持ちに溢れている。

そして世界戦まで2週間という時期になって、今シーズン一番とも言える調子の良さを感じていた。練習で目安にしているパワー数値も上がっている上、特に登りで今までよりも一段重いギヤを踏んでいける力強さがある。レースまでの3日間のコース試走でも毎日調子は良く、登りの調子が良いのでテクニック区間も落ち着いて攻略していくことができた。じっくりと自分に合ったベストラインを探っていき、レースの日を迎えた。

しっかりとウォーミングアップで身体を暖め、スタートラインに並ぶ。標高が1500mと高地であるために気温が低く、身体を動かしていないと少し肌寒さを感じる程であった。いつもより緊張感と良い具合に集中力がみなぎっているのを感じる。そしてスタート。傾斜面の路面を全力で駆け上がっていく。後続の選手の視界は砂埃でとても悪いが、みんな落車を恐れること無く全力で突っ込んでいく。本当に速いスピード。もちろん僕もこのスピードに合わせた練習を重ねてきたので、今回は集団に飲まれること無く、ほぼスタートでの位置をキープしたまま最初の坂を登り切ることができた。しかし、その直後のタイトなコーナーが連続するセクションでイン側から強引に入ってきた選手に詰まってしまい、一気に順位を落としてしまう。まだまだこれから。コース序盤の長い登りでは選手が密集して思わぬところで転倒する選手が続出していたが、なんとかそれに巻き込まれずにバイクから一度も降りること無くスタートの混乱を乗り切ることができた。脚の調子も良く、周りの選手と競い合いながらレースを進める。順位は50番手程。決していい位置ではないが、まだまだ追い上げていける位置だ。しかし、1周目後半からずるずると順位を下げていってしまう。決して身体の感覚は悪くなく、しっかりと踏めている感覚はあるのだが、それ以上に周りの選手のスピードが速い。もちろんヨーロッパラウンドのワールドカップは群を抜いてレベルが高いが、世界戦2週間前ということで、今まで以上に選手のスピードが上がっていることを感じた。
自分の理想の走り方はできているのに、順位は下がっていくという苦しい展開。走っていても悔しくて悔しくてたまらなかった。
登り坂で斜度が上がった時に、自分はギヤを一段シフトダウンしてシッティングで登り切るか、少し余裕があれば同じギヤのままダンシングに切り替えてクリアする。しかし周りの選手は、登りで斜度が上がれば同じギヤのままケイデンスを落とさずクリアするか、あるいは一段重いギヤにしてダンシングでまるで加速するかのように登り切ってしまう。踏んでいるギヤが自分と違うことをはっきりと痛感させられた。
2周目に一気に順位を落としてしまい自分が何番手を走っているのかも分からないまま、ひたすら追い込み続ける。前の選手を一人でも追い抜くのには本当に力を振り絞らなければいけないが、諦めたら後ろから一気に追い抜かれるといった展開が続く。
トップの選手は独走体制で、80%ルールのタイム差も厳しいものになった。今回のレースでは1周目は殆ど渋滞に巻き込まれることなく切り抜けられたのに、それでもたったの1時間で12分ものタイム差を付けられた。残り2周を残してのラップアウト。全力を出し切った苦しさと、それでも全く自分の力が通じなかったという悔しさの両方で、顔を上げることが出来なかった。

今回のレース、決して調子は悪くなく、むしろ今までのワールドカップで1番といえるコンディションであった。それにも関わらず、−2ラップという結果。充実した練習を積み重ねてきたことへの自信もあったが、考えればそれは他の選手も同様のこと。特に伸び盛りであるU23のレースでは、毎年、毎戦のようにレースのレベルが高くなっているように感じる。その中で成長していくことは当然のことであり、世界のレベルに食らいつくためにも、もっともっと今僕ができることを考えて、進化していかなければならないと感じた。

そして今日で世界選手権までちょうど1週間。
もう一度、今僕ができる最大限の走りをぶつけてきたいと思います。
応援の程、宜しくお願い致します。

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時





使用機材
バイク       ANCHOR XR9

コンポーネンツ     SHIMANO XTR
ハンドル     SHIMANO  PRO
ステム                        SHIMANO  PRO
ペダル      SHIMANO XTR
シューズ           SHIMANO  SH-XC90

ヘルメット                Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ     Kabuto  PRG-3(レッド)

ウエア        Wave One レジェフィット

サングラス           OAKLEY Racing Jacket
         レンズ positive red

サプリメント     SAVAS(株式会社明治)
                                     レース中:SAVASスポーツウォーター 
               ピットインリキッド
          レース後:リカバリーメーカーゼリー


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