2015年9月9日水曜日

MTB世界選手権大会 レースレポート


大会名:         MTB世界選手権大会
開催日:   201594
開催場所:  アンドラ・Vallnord
カテゴリー: U23
リザルト:        69位(−1ラップ)
天 候:   雨
コースコンディション: マッド

2015年シーズンの中で僕がエリートクラスでなく、U23クラスで走るレースはたったの2回。
ひとつは全日本選手権、そしてもうひとつが今回迎えた世界選手権である。

この2つのレースをシーズン最大の目標とし、入念に準備してきた。最初の目標であった7月の全日本選手権では会心の走りで優勝し、世界戦への切符を掴む。その後も調子は上がり、国内戦では初の表彰台となる2位を獲得。もちろん国内での結果が世界戦に直結するほど甘くないことは分かっている。しかし今の自分の環境の中でできる最大限の準備はやり切った手応えがあった。自信を持って世界戦が開かれるアンドラ公国に出発することができた。

レース前の調整は上手くいき、水曜日のチームリレーでの1周全力T.Tでは、まずまずのタイムと調子の良さを確認。レース会場は標高2000mの高地にあるが、いつもより多少呼吸が苦しく感じる程度で身体はしっかりと動いていた。今思えばリレーでは選手同士での位置取り争いが無かったので、最初の登りを自分のペースで走り始められたのが良かったのかもしれない。

レース当日も今年1番と言えるような良い感覚。まるで常に追い風が背中を押してくれているよう。気温は一桁台で冷え込んでいるが、シクロクロスをすると思えば暖かい気温だとプラスに考えられる自分がいた。スタート前も緊張し過ぎず、冷めすぎてもいない。周りがよく見える。これまでで最高のレースができる自信があった。

そしてスタート。去年のように集団に埋もれることはなく順調に走り出し、スタート位置よりは前に上がることに成功。世界大会でのスタートダッシュに苦手意識があった自分としては幸先の良い形でレースが始まった。最初の登りを終えてボジションを落とさない程度に一息つく予定が、待っていたのは予想以上に泥々な路面。昨夜からずっと降り続いていた雨がスタート直前に止んだことで泥が固まり、今までとは全く別物のコースになっていた。タイヤもドライ系なセッティングであったため、全く乗車することができず、早くも予期していなかったランニング大会が始まる。

シクロクロスの経験から反射的に押し区間でも順位をあげようと無理に抜きにかかるが、自分の現状の体力と2000m越えの高地では、この無理な走り方は間違っていた。路面の状況が全く把握できていないため、乗り降りの判断も上手くいかず、焦りだけが募る。

下りも渋滞で殆ど乗車できずに長いランニングが続き、ストップ&ゴーで身体は完全に酸欠状態。泥区間を終えて勝負どころの登りに入るも、リレーの時はアウターローで登っていた坂が、インナーローでも苦しい。止まりそうな速度で全く前に進まない。ここからはひたすら苦しい時間だった。酸欠であったからか、正直記憶も途切れ途切れにしか残っていない。

なんとか気持ちを切り替えて前に進もうとするも、あまりにも泥が酷くて前日までの試走で確認したラインもほぼ役に立たず、リズムを取り戻せない。全く思うように走れていない自分への絶望と、結果よりも今この時を全力で走って前に進まなければという気持ちが錯綜して、全くレースに集中できていなかった。


残り1周を残して80%で切られた時は、とにかくこの苦しみから解放されたという安堵だけで、悔しいという感情も浮かんできませんでした。そしてそんな風に思ってしまう自分がたまらなく嫌でした。もう消えてしまいたいくらいに。応援して頂いた方々を裏切るような走りで本当に申し訳ないです。


ただただ自分が弱かった。それに尽きます。予想外のことが起きるのがレースで、その予想外を少しでも想定して準備しておくのが勝負の世界だと思います。自分には何もかも足りていませんでした。

良い状態で世界戦に臨めていただけに、結果を残せなかったことに対するショックが大きいです。今回のレースが良い経験になったとは思えません。これから先もずっと苦くて忘れたい経験のままだと思います。完全に気持ちを切り替えることは難しいかもしれません。

ですがあの舞台で戦いたいという想いと、MTBが大好きな気持ちは少しも衰えていません。
もう過去は変えられないので前に進むしかないと思っています。シーズンはまだ続き、10月には国内での3連戦が待っています。まずはそこに向けて、もう一度心に火をつけて頑張りたいと思います。

そしてやはり世界戦での失敗は世界戦でしか取り返せません。来年はU23クラスで走る最後の年。勝負の一年です。来年に向けて自分がしなければいけないことをよく考え、しっかりとした計画を練って一日一日を大切に過ごしていきたいと思います。

引き続き応援のほど、宜しくお願い致します。
世界戦までのサポートと応援、本当にありがとうございました。

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

写真はSlmの中川さんより。

使用機材
バイク         ANCHOR XR9

コンポーネンツ     SHIMANO XTR Di2 M-9000シリーズ
ハンドル     SHIMANO  PRO
ステム                        SHIMANO  PRO
ペダル      SHIMANO XTR
シューズ           SHIMANO  SH-XC90

ヘルメット                Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ     Kabuto  PRG-3(レッド)

ウエア           Wave One レジェフィット

サングラス               OAKLEY RadarEV
         レンズ クリア

サプリメント        SAVAS(株式会社明治)
                                     レース中:SAVASスポーツウォーター 
          レース後:リカバリーメーカーゼリー


ヘッドバンド   HALO グラフィック プルオーバータイプ

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