2016年3月23日水曜日

Salcano MTB Cup #1 – Izmir:レースレポート

大会名:            Salcano MTB Cup #1 Izmir
開催日:   2016320
開催場所:  トルコ・Izmir
カテゴリー: UCI Class1
リザルト:        16
天 候:   晴れ
コースコンディション: ウェット

前戦のアダナのレースから2週間。
トルコ イズミルで開催されたUCI Class1のレースに参戦してきた。

前回はキプロスの疲労を引きずっていたため調整メインの練習をこなして慌ただしくレースに臨むことになったが、現在は合宿地でもあるトルコの環境にも慣れたことで充実した生活と練習を行なうことができている。やはり幸平さん、星矢さんと一緒にトレーニングできることで得るものは非常に多い。この2週間で順調に調子を上げることができた。練習で上手く走れていることで、一番大切な自分に対する自信も出てきているように感じる。

合宿地からレース会場までは600km近い距離があったため余裕を持って金曜日に移動し、土曜にコース試走を行なった。自然の地形を生かしたシングルトラックと町中のアスファルトを組み合わせたコースで、長い登りと下りが2回ずつ。雨の影響でコースの至るところに水たまりがあって走りにくいが、固い石に覆われた路面が多いために深いマッドコンディションにはならないと予想した。いつも通りの機材セッティングでレースに臨んだ。スタートループを含む5周回のレース。

スタートは3列目から。今回はUCI Class1のレースということで前戦のアダナと比べると選手の層が厚くレベルの高いレースとなる。スタートループは下りを含む緩やかなアスファルトであるのでロードレースのように集団で展開。MTBだと一番重いギヤであっても36T×11Tという組み合わせの選手がほとんど。40km/h以上のスピードが出ればどの選手も脚が回り切っているので、それほどスピードは上がらない。ただシングルトラックの手前では位置取りのためにペースが上がるのは間違いないので、そこまで脚をためておく予定であった。しかしここで問題が発生。自分はシングルトラックの入り口を実際よりも手前にあると勘違いしており、早い段階で前に上がり過ぎてしまった。勘違いに気づいた頃に集団はペースアップを始め、2番手の位置から一気に抜かれる。無駄に脚を使った上にシングルトラックの位置取りも10番手ほどと出遅れてしまった。レース役員にスタートループを教えてもらったのに。。まあ運が悪かったということで切り替えるしかない。

シングルトラックの中は予想以上に濡れていて後輪のトラクションがかかり難く、前の選手がバランスを崩すたびにバイクを押して走る状況。そうするうちにトップ集団とどんどん差が開いてしまう。焦っても仕方がないのだが、焦らないと前にはいけない。国内のレースであれば2周目から自分のペースで上げていけばいいのかもしれないが、そんな走り方はここでは通用しない。強引にでも前に上がっていく。2周目までは10位前後の位置で走れていたが、3周目から5人ほどの集団に付いていけなくなって一気に順位を落としてしまう。本来重いギヤで押し切らなければならない路面でも、トルクがかかっておらずにミスの多い走りとなってしまっている。心拍は落ち着いてしまっているのだが、脚が動かない。完全に調子の悪い時の兆候であるが、単独での走行となってしまったことで悪いリズムから立ち直ることができない。最終周回に一つ順位を落とし、UCIポイントも獲得できない16位という結果に終わってしまった。

スタートループのミスはあったものの、序盤は良い走りができていた。前戦のアダナでも中盤のペースダウンが課題だと感じていたが、今回も同様な課題を突きつけられてしまった。スタートからのペースはそれほど速くは感じないのだが、なぜか中盤に余裕がなくなってしまう。シクロクロスのような短い高出力を何度も発揮する能力はこの冬でかなり向上したが、その感覚があるがために登り口で踏み過ぎてしまっているのかもしれない。短い登りであれば問題ないのだが、長い登りであれば頂上付近で失速してしまっており、全体のペースを上げられていない。
レース中であれば実力を出し切るためにパワーを抑えるようなペース配分も考えなければならないが、練習では今持っているパワーを少しでも長く継続していくことを目標にしてトレーニングしていきたい。練習で力を付け、レースでは最も効率良くその力を発揮する。このことを意識しながら、残り2週間となったトルコ合宿と遠征最後にあるイスタンブールでのUCIレースをしっかりと走り切りたいと思います。

今後とも宜しくお願い致します。

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

使用機材
バイク       ANCHOR XR9http://www.anchor-bikes.com

コンポーネンツ   SHIMANO XTR Di2 (http://www.shimano.co.jp
シューズ         SHIMANO  SH-XC90

ヘルメット                Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ     Kabuto  PRG-3(レッド)
                                    (https://www.ogkkabuto.co.jp)

ウエア        Wave One (http://www.wave-one.com
         レジェフィットプロ
         
サングラス        OAKLEY (http://jp.oakley.com
         JawbreakerPRIZM ROAD
        
サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/
          レース中:ピットインエネルギージェル
                栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
                                 SAVASスポーツウォーター 
          レース後:リカバリーメーカーゼリー

ヘッドバンド   HALO (https://www.haloheadband.jp
         グラフィック プルオーバータイプ(チームヘイロ)


2016年3月9日水曜日

アダナ MTB CUP 2016:レースレポート


大会名:        アダナ MTB CUP 2016
開催日:   201636
開催場所:  トルコ・アダナ
カテゴリー: XCO Class2
リザルト:       3位
天 候:   晴れ
コースコンディション: ドライ

トルコ アダナで開催されたUCI Class2のレースに参戦してきた。
前戦のキプロスのステージレースから一週間。初めて4日間のステージレースを走りきったことで身体の疲労が大きいことを感じていたが、しっかりとリカバリーを意識した生活を心がけたことで水曜日には通常の状態にまで回復。木曜日には予定通りに高強度なインターバルトレーニングを行なってレースへ向けた刺激を入れることができた。キプロスでは自分の限界を超えるような強度での走りを求められる場面が何度もあり、そう言った追い込み切ったレースを終えた後はコンディションも上がっていきやすい。木曜日のインターバルでの感覚も良かったため、アダナでのレースには自信を持って臨むことができた。

1列目の左端からスタート。コースの左端にだけ路面が荒れていないラインがあることを確認していたので、イメージ通りにスピードを乗せていくことができた。トルコチャンピオンと幸平さん、イランの選手に続く4番手の位置でレースを進める。自分は先頭パックの最後尾と言った形だ。登り下りともに距離が短いので、集中できていれば付いていくことはさほど難しくない。しかし登り返しで前走者がミスをしてバイクを押して走る羽目になり、3番手に浮上したものの前の2人とは差が開いてしまった。自分が3位パックの先頭となって前を追いかけるが、差は少しずつ開いていく。2周目には後ろで足をためていたイランの選手に抜かれ、この選手とも差が開く。4位パックでレースを進めていくが、メカトラブルを起こした幸平さんを追い抜いて再び3位に浮上。まだUCIレースでの表彰台を経験したことがない自分としては大きなチャンスだ。
先頭を走るトルコチャンピオンとは大きな差がついてしまったが、2位のイランの選手は視界に捉えて走ることができたので、大きなモチベーションとなった。まずは表彰台を確実なものにしたかったが、自分の後ろを走る選手をなかなか切り離せないままレースは後半へ。ラスト3周で追い上げてきた星矢さんに抜かれ、なんとか食らいつこうとしたが少しずつ差が開いてしまう。星矢さんを追いかけることで自然とペースは上がり4番手単独となったが、このままでは表彰台に登れない。
残り2周で15秒ほどの差。ここで星矢さんに追い付けなかったら今年の国内戦も全日本でも絶対に勝てないぞと自分に言い聞かせ、ラスト1周のことは考えずにひたすら追い込んだ。コース後半でなんとか追いつき、そのままの勢いでラストスパート。自分の持っている力を全て出し切り、3位でのゴールとなった。

エリートクラスとして走る国際レースでの表彰台は初めての経験だったので素直に嬉しい。特にラスト2周で今までにない力を発揮できたことは大きな自信となった。

次戦は同じくトルコ イズミールでのUCIレース。
表彰台に上ることはもちろん、今回以上に内容のあるレースをするためにトルコでの合宿を充実したものとしていきたい。過去最強の自分となって日本に帰国するため、いい時間を過ごしていきます。

今後とも応援のほど宜しくお願い致します。

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時




使用機材
バイク       ANCHOR XR9http://www.anchor-bikes.com

コンポーネンツ   SHIMANO XTR Di2 (http://www.shimano.co.jp
シューズ       SHIMANO  SH-XC90

ヘルメット             Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ     Kabuto  PRG-3(レッド)
                                     (https://www.ogkkabuto.co.jp)

ウエア        Wave One (http://www.wave-one.com
         レジェフィットプロ
         
サングラス        OAKLEY (http://jp.oakley.com
         JawbreakerPRIZM ROAD
        
サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/
          レース前:ピットインエネルギージェル
                栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
                   レース中: SAVASスポーツウォーター 
          レース後:リカバリーメーカーゼリー

ヘッドバンド   HALO (https://www.haloheadband.jp
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2016年3月3日木曜日

サンシャインカップ 2016:レースレポート

大会名:        キプロス サンシャインカップ 2016
開催日:   2016225~28日(全4ステージ)
開催場所:  キプロス共和国 Afxentia 
カテゴリー: SHC エリート男子

いよいよ2016年のMTBシーズンが始まった。
世界のトップライダー達がシーズン初めのレースとして数多く集まるサンシャインカップ。
特に今年はオリンピックイヤーということで、いち早くコンディションを上げるため例年以上に多くのライダーが集まっているようだ。僕としてもサンシャインカップはずっと出場してみたいレースの一つであったので、このキプロスでの遠征を非常に楽しみしていた。この冬もシクロクロスを中心としての活動であったが、これまで以上に良い冬を過ごせたという手応えがある。ただただシクロクロスを調子良く走れたというだけでなく、練習していても感じる自分は強くなれたという感覚。今シーズンを最高のものにするためにも、気持ち良く初戦を戦い抜きたい。4日間のステージレースというのも自分にとって初めての経験であるので、身体がどのぐらい疲労するのかも未知数。

【第1ステージ 個人TT 3.9km】 77
kmTTというと短く聞こえるが、とてもハードなコースであった。街中をスタートするとまずはアスファルトの路面で山の頂上まで一気に駆け上がり、休む間もなく石に覆われた直線的なシングルトラックを超ハイスピードで駆け下りてくる。ラスト1kmは石畳や階段といった無数のトラップが隠れた狭い街中を走り抜ける。最初の上り坂の距離がかなり長いので、念入りにウォーミングアップをして臨んだ。走りの感覚は決して悪くなく、今持っているパワーをしっかりとペダルに伝えることはできた。日本のレースであれば今日は調子が良かったという感想だけで終わっていたレースかもしれない。この日の結果は100名ほどのライダーの中の77位。なによりたった4kmで世界のトップ選手とは1分半もの大差がついてしまうという現実に衝撃を受けた。頭では理解していたつもりであったサンシャインカップのレベルの高さを改めて思い知らされる結果となった。

【第2ステージ XCM 47.9km】 86
ロードレースであれば50kmという距離はあっという間であるが、MTBでのオフロードでの50kmというのは普段のXCOレースの倍近くの距離であり、とてもハードなものである。しかも獲得標高は2000mを超える。というより選手の層がこれほど厚ければ、アスファルトの路面であってもキツい。最初はニュートラルスタートと聞いていたが、どの選手もシングルトラックに入る前にポジションを上げておきたいために、位置取り争いでぐんぐんとスピードが上がる。ニュートラルスタートの段階からずっとハイペースであるので、正式にいつレースが始まったのか分からないほどであった。ダート区間に入ってもずっと登り坂が続き、普段のXCOと違ってコースの全貌を知らないために、精神的にもひたすらキツい時間であった。山本幸平選手は自分の2つ前の集団で走っているのが見える。まずは前の集団に追いつければ、ゴールまでに合流できるかもしれない。約1時間の登りを耐えて、シングルトラックに突入。この下りはパンクが起きやすいと聞いていたので慎重に下りたかったが、どの選手も下りが速いので、そんな暇はない。前の選手を追いかける形で下っていると、後輪の空気が抜けていることに気付いた。落ち着いて修理し、再スタートするが5分も走らないうちに再び後輪をパンク。さすがに自分の下手さが嫌になったが、目標を完走に切り替えて走り切らなければ明日スタートすることもできない。最初の登りを良い位置でこなせていただけに悔いが残るが、その悔しさは明日以降にぶつければいい。86位でのゴールとなった。

【第3ステージ XCM 50.7km】 65
昨日に引き続きマラソンレース。今日は最初の登りを良い位置でこなすことと、何よりもパンクさせないことが大事だ。最初の登りは自分のペースに合う集団に入れたことで快調に飛ばす。昨日以上に身体が動いていることを感じた。順位は50番手ほど。ひたすら続くシングルトラックの登りに心が折れそうになるが、何とか集団でレースを進めていく。ラスト10kmでパンクしていた幸平選手を追い抜くが、この辺りから身体が全く動かなくなってきた。深く息を吸い込むと咳き込んでしまう状態になってしまい、ペースが全く上がらない。最後に順位を落としてしまい65位でフィニッシュ。前半の登りはかなり良いペースで走れたので悔いが残らないレースはできたが、今日のような2時間を超えるレースでも余裕を持って戦えるようになれば、XCOでも一味違った走りができるようになるはず。まだまだ成長しなければならない。

【第4ステージ XCO 5.9km × 5 laps】 59
いよいよ最終日のXCO。身体はもうボロボロで、ウォーミングアップでは全くスピードが上がらない。スタートすればどうにかなると信じるしかない状況。
実際に始まってみれば身体が全く動かないということはなかったが、やはり昨日のステージで呼吸器系が相当疲労しているようで、心拍数が上がってこない感覚。競いあう選手は沢山いるので、自分のギリギリのペースを保ってレースを進めていく。2周目の下りでバランスを崩した際に、立て直すために軽くついた足が攣りそうになって転倒してしまった。もうレース序盤から最終周回のように疲労している。転倒によって順位を落としたが、中盤にかけてペースを持ち直す。昨日までの疲労が蓄積していて身体の動きは渋いが、決して調子は悪くない。去年国内で走ったレースと比べれば、ずっと上の強度で走ることはできている。だからこそ、海外のレースであってももっと前の集団でレースを展開したい。自分の調子云々よりも、根本的な実力を上げていかなければ通用しない世界だと痛感した。59位でのフィニッシュとなった。

最終的な総合成績は61位。
40位以内に与えられるUCIポイントは獲得することができませんでした。
どのステージとも前半の登りは50位あたりの集団で良いペースで走ることができたが、その後の長いシングルトラックの下りで集団から離され、後半は登りでもパワーを発揮できずに失速して単独での走行となってしまう展開が多かった。マラソンレースのような2時間を超える強度にも耐えることができるようになれば、本業であるXCOレースにも必ず生きてくると思うので、パワーを持続させるための練習を多く取り入れていていく必要があると感じた。

今月はトルコで合宿を行いながらUCIレースにも参戦していく予定。過去最強の自分となって日本に帰国するために、11日を大切に過ごしていきます。

この遠征を支えて頂いているチームとスポンサー、ファンの皆様に感謝しています。
精一杯がんばり、2016年を最高のシーズンにします!

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

使用機材
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コンポーネンツ   SHIMANO XTR Di2 (http://www.shimano.co.jp
シューズ         SHIMANO  SH-XC90

ヘルメット                Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ     Kabuto  PRG-3(レッド)
                                     (https://www.ogkkabuto.co.jp)

ウエア        Wave One (http://www.wave-one.com
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サングラス        OAKLEY (http://jp.oakley.com
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サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/
          レース前:ピットインエネルギージェル
                栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
                          レース中:   SAVASスポーツウォーター 
          レース後:リカバリーメーカーゼリー

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