2016年12月14日水曜日

第22回全日本シクロクロス選手権:レースレポート


大会名:            22回全日本シクロクロス選手権
開催日:   20161211
開催場所:  栃木県 宇都宮市 道の駅ろまんちっく村
カテゴリー: エリート男子
リザルト:        優勝
天 候:   晴れ
コースコンディション: ドライ(一部マッド)

ついに迎えた第22回全日本シクロクロス選手権。
同じく22歳となった今年の自分はいよいよエリートクラスでの出走となる。

実はエリートクラスで全日本選手権を走るのは初めてではなく、まだU23のクラス分けが存在せずにエリートと混走で走っていた18歳の時は5位、19歳の時は3位に入っている。去年は独立したU23クラスで優勝し、自分としてはようやくエリートクラスに戻ってこられたという気持ちが強い。目標はもちろん日本一になることである。

7月に骨折して入院している時は、この全日本のことを一番多く考えていた。今の自分には何が足りておらず、あと半年でどんな練習をすれば全日本で勝つことができるのか。9月の復帰戦から全日本までに走る12戦のレースは全て勝つことを目標にした。常に先頭でレースを展開して勝つことに慣れておけば、全日本のようなプレッシャーのかかるレースであっても落ち着いて自分の走りができるはず。特に全日本の3週間前に開催されたマキノ大会は宇都宮と同じくパワーコースであるので、ここで1分以上の差をつけて勝てていれば全日本の優勝はほぼ間違い無いと思っていた。2週間前の野辺山では惜しくも2日連続2位という結果であったが、力を全て出し尽くした自分史上最高のレースをすることができたので悔いはない。勝負感も鋭くなったので、あの負けは自分にとって必要であったと思う。

復帰してからのレースは1210勝。怪我をきっかけに強くなれたことは間違いない。心からレースを楽しめる最高の状態でこの日を迎えることができた。

金曜日に宇都宮までの長い移動をこなし、土曜日にコース試走を行なう。
宇都宮のコースは平坦基調のパワーコースと聞いていたが、実際に走ってみるとアップダウンが連続するキャンバーや、細かく繰り返すタイトなコーナーが多く、単純な脚力だけを求められるセクションは少なく感じた。晴れた天候が続いていたので泥の路面は想定していなかったが、レース当日は朝方に凍結していた路面が溶け出したことでキャンバー区間はとても滑り易いコンディションとなった。U23クラスと女子エリートのレースを観察していると、やはり踏みどころが少ないので脚があってもタイム差を広げ難いコースのようであったが、逆に大きなミスを犯さなければ数秒差でも逃げ続けられるコースだと感じた。攻めるべき場所で勝負を決め、あとは焦らずミスなく走り続ける自分をイメージしながら、いつも通りのスタート前の準備をこなしてスタートラインに並んだ。

一列目からスタート。予想通りに竹之内選手、小坂選手が先行し、自分はそれに続く3番手。差がつきやすいキャンバー区間に入るまではこの位置で待機すると決めていた。後方から武井選手がアタックしたのに合わせて2番手に上がる。キャンバー区間で先頭に立とうと乗車していくが、タイヤを滑らせてしまい武井選手を巻き込みながらスリップダウン(すみませんでした汗)。この区間を竹之内選手だけが乗車してクリアしたので少し差が開いたが、その後の連続する短い登り区間ですぐに追いつくことができた。フライオーバー手前の直線区間でペースが上がっていないように感じたので、迷わずに後ろからアタック。自分を先頭に小坂選手、武井選手、前田選手の4人の先頭集団が形成されて2周目に入った。




先頭をキープしたまま自分のペースでレースを進めていく。闇雲に踏むのではなく、休むべきところはしっかりと休んで、1周目のポジション争いで消耗した体力を回復させる。そして勝負所のキャンバーセクション。先ほどはスリップダウンしたが、今回は上手くラインを捉えて乗車したままクリア。その直後に観客からの悲鳴が聞こえたので、振り向かずとも小坂選手がミスをしたことが分かった。今が勝負所だと思い一気にペースを上げる。稼いだタイム差はたったの5秒ほどだが、この僅かな差が詰まらないコースであることは分かっているので自信を持って攻め続ける。



5〜8秒ほどタイム差で小坂選手から逃げ続けるのは野辺山と同じような展開。ワンミスで追いつかれてしまうので精神的にもキツイ場面だが、一度経験したことには余裕がある。野辺山では自ら転倒して勝機を逃してしまったが、今回はそんなミスを起こす気はしなかった。コース上の至る所でスタッフから後ろとのタイム差を教えてもらい、コース上のどこで差が開きやすいのかを考えて走る。レースが中盤を過ぎると向かい風が吹く平坦区間を終えた後にタイム差が広がっていることが分かった。パワー勝負だけでタイム差が開くのであれば、テクニカルセクションで無理をする必要はない。ミスが起きやすいキャンバーセクションは早めにバイクから降りてランニングでこなし、安全な平坦区間で踏み込んでいくようにして順調にタイム差を広げていく。2番手には前田選手が上がってきたが、すでに20秒以上の差が開いているので落ち着いて走る。バイクトラブルには十分に気をつけながらゴールを目指した。



最後の砂地区間を終えたところで勝利を確信。
僕がこれまで国内で経験してきたシクロクロスの中で、最も多くの観客に囲まれたゴール。この競技を始めた頃からの目標であった日本一になることができた。


レース前日、優勝を意識して少し固くなっていた僕に監督が「エリート1年目なのだから何も気負う必要はない。そして怖いものはない。今のトキであれば、レースを楽しむことだけを考えていれば絶対に一番強いよ」と言ってくれた。全日本だからといって特別な緊張感を作ってしまうのではなく、いつも通りに勝利を目指そうと心の底から思うことができた。万全のサポート体制でレースに臨ませてくれたチームに本当に感謝しています。


日本一になることはずっと目標でしたが、これがゴールではありません。
まだまだ未熟で成長していける部分はたくさんありますし、これから日本チャンピオンとして国内、そして海外の選手と熱い勝負をすることで、僕が大好きなシクロクロスという競技をもっと盛り上げていけたらと思います。

たくさんの応援、本当にありがとうございました。
今後とも宜しくお願い致します!

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

使用機材
バイク       ANCHOR CX6http://www.anchor-bikes.com

コンポーネンツ   SHIMANO DURA-ACE Di2 9070シリーズ (http://www.shimano.co.jp
シューズ         SHIMANO  SH-XC90

ヘルメット                Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ     Kabuto  PRG-5(ライトブルー)
                                    (https://www.ogkkabuto.co.jp)

ウエア        Wave One (http://www.wave-one.com
         Legge Fit ワンピース
         
サングラス        OAKLEY (http://jp.oakley.com
         JawbreakerPRIZM ROAD
        
サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/
          レース前:ピットインエネルギージェル
                栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
                                 SAVASスポーツウォーター 
          レース後:リカバリーメーカーゼリー

ヘッドバンド   HALO (https://www.haloheadband.jp
         グラフィック プルオーバータイプ(Polka dot Black


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