2016年1月25日月曜日

World Cup Hoogerheide:レースレポート


大会名:            UCI Cyclo-Cross World Cup Hoogerheide
開催日:   2016124
開催場所:  オランダ・Hoogerheide
カテゴリー: U23
リザルト:        38位(+6:54
天 候:   小雨
コースコンディション: マッド

オランダで開催されたワールドカップ最終戦 Hoogerheide大会に参戦してきた。
このレースが世界選手権前最後のレースということで、本場ヨーロッパでのシクロクロスの雰囲気やレースの強度に慣れるために、世界戦への調整として参戦するレースとなる。
水曜日の夜中にオランダに到着。移動の疲れはさほど感じないが、時差の影響もあって身体にいつも以上の負担が掛かっていることは確か。レース前の練習は軽めの調整にとどめ、本番である来週の世界戦に向けて体調を整えていくことを優先した。

Hoogerheideのコースを走るのは今年で4回目。海外のレースの中では最も走り慣れていると言ってもいいコースだ。今年はレース前日の夜から朝方にかけて雨が降り続け、例年以上に深い泥のコースとなった。

全日本選手権や国内でのUCIレースで今シーズン獲得してきたポイントのおかげで、スタートは18番コールで3列目。今回のレースの目標は20番台でのフィニッシュ。自分が目標としているレベルがどのぐらいであるかを知るためには、絶好とも言える位置からのスタートだ。
やはり日本とは選手の気迫からして全く違うスタートで、最前列の選手たちは物凄い勢いでトップスピードに持って行く。自分はペダルキャッチが上手くいったこともあり、意外と苦労せずに前の選手に付いていける。ただここで油断すると一気に抜かれることは海外のMTBレースで経験済みなので、ダート区間に入るまではしっかりとペダルを踏み抜く。その結果、20番前後とかなり良い位置でスタートを切り抜けることができた。

しかしここでスタートダッシュが終わらないのが海外のレース。1周目は少しでも隙があれば後ろから選手が追い抜いてくるため、ずっとダッシュをし続けている状態。しかも日本のように一人ずつ抜いてくるのではなく、こちらのペースが少しでも落ちれば一気に35人のパックに抜かれてしまうので、一気に順位を落とすことになる。多少ライン取りが強引でもとにかく踏み続けることが重要。少し順位は落としたが一周目は25位前後で通過。トップとのタイム差も30秒ほどだったので、健闘できていると言っていい。なにより、この段階で単独とならずに大人数のパックでレースを展開できていることは大きい。海外のシクロクロスではロードレース的な要素も大きく、パックに乗り遅れて単独での走行となった場合はレースを完走することも一気に難しくなるからだ。


しかし、2周目、3周目のキツいことといったら。。本来ならば休みどころとしたいはずのセクションでも順位を下げないためにずっと踏み続けているわけで、身体にかかる負担は日本のレースとは比べものにならない。泥の路面を他の選手より少ないパワーで速く切り抜ける圧倒的なテクニックがなければ、こちらのレースで休むことなどできないのだと痛感させられた。例えばバイクの乗り降りをする場所が2メートル早かった、あるいは遅かったという本当に些細なミスで、順位はすぐに入れ替わる。自分の走りは周りの選手に比べてそれほどテクニックが劣っている感覚はしなかったが、やはり身体に余裕がないのでテクニカル区間を抜けた後の、比較的緩やかなセクションで順位を落としてしまうことが多い。なによりこの超高強度のレースに身体が慣れていないことは確かで、世界戦の前にこのレースを走れて本当に良かったとレース中ながらに感じてしまった。



中盤にかけて少しずつ順位を下げてしまい、35位前後の選手と走る形でレースは終盤へ。徐々にコースへの慣れというより、ラインの使い方を覚えて楽を出来る箇所も出てきた。深い泥に入る前は、その手前の轍にタイヤを乗せてしっかりと踏み込んでスピードを乗せておくことが重要で、そうすれば泥区間で少しだけ楽ができる。こういったメリハリのついた走り方を徐々に覚えてきた。この走り方をレース前半の20番台にいた時からできていれば体力を温存でき、あの位置で戦える時間も延びていたことは間違いない。やはりテクニックがあった上でのパワーだ。レース中にも自分の走りのレベルが上がっていることが分かる。だがそれは周りの選手も同様で、最後まで順位を上げることはできずに38位でのゴールとなった。

今回のレースは目標であった20番台に届かずに悔しいが、世界戦前の調整ということを考えると納得のいく走りをすることができた。世界選手権でも今回と同じ位置からのスタートとなるので、今回のレースで前半に自分が目標としている位置でレースを展開できたことは、気持ちの面でも自信になった。あとはあの位置で中盤まで粘れれば、必ず結果はついてくるはず。ジュニアの頃の世界戦で16位に入った時も、前週のワールドカップは今回と同じHoogerheideであったが、順位は40番ほどだったと記憶している。だがレースを完走できたことで掴めたものが多く、あの時はそれを上手く世界戦に繋げることができた。今回はその頃に近い流れを感じている。身体にも大きな刺激が入り、今ある疲労がとれれば一段上の状態に仕上げることも可能であるし、今週は練習でも一度刺激を入れて、万全の状態で世界選手権に臨みたいと思います。

日本からの沢山の応援、本当にありがとうございました。
今シーズン最後であるシクロクロスを最高の形で終われるように、精一杯頑張ってきます!

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

Photo by 有岡建設

使用機材
バイク       ANCHOR CX6http://www.anchor-bikes.com

コンポーネンツ   SHIMANO DURA-ACE Di2 9070シリーズ (http://www.shimano.co.jp
シューズ         SHIMANO  SH-XC90

ヘルメット                Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ     Kabuto  PRG-3(レッド)
                                    (https://www.ogkkabuto.co.jp)

ソックス      Wave One (http://www.wave-one.com
         
サングラス              OAKLEY (http://jp.oakley.com
         JawbreakerPRIZM TRAIL
        
サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/
          レース前:ピットインエネルギージェル
                栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
                                 SAVASスポーツウォーター 
          レース後:リカバリーメーカーゼリー

ヘッドバンド   HALO (https://www.haloheadband.jp
         グラフィック プルオーバータイプ(チームヘイロ)


2016年1月18日月曜日

関西CX#10 堺:レースレポート


大会名:            関西シクロクロス#10 堺大会
開催日:   2016117
開催場所:  大阪府堺市 みなと堺グリーンひろば
カテゴリー: C1
リザルト:        優勝
天 候:   晴れ
コースコンディション: ドライ

関西シクロクロス第10戦 堺大会に参戦してきた。
今回のレースがシクロクロス世界選手権へ向けて国内で走る最後のレースとなる。12月の全日本選手権からここまで勝利を重ねてくることができているので、もちろんこのレースでも優勝して、気持ち良く世界戦遠征に臨みたいところ。また今シーズン最後の国内でのシクロクロスということもあり、ここまで応援して頂いた方々のためにも、内容、結果共に最高のレースにしたいという想いが強く、モチベーションは高い。

堺のコースは平坦な芝生広場に造られたハイスピードコースで、どちらかというとロード選手が得意としているコース。高校生の頃からこの会場でレースを走っているが、堺での優勝経験はまだ無く、自分にとって得意な部類のコースではない。しかしながら今年の堺はコース後半にある砂場セクションが例年以上に深くテクニカルになっており、このセクションは自分にとって有利になると感じていた。CI11周回でのレースとなった。

一列目中央からのスタート。ペダルキャッチもうまくいきホールショットを取るが、この時点で早くも機材セッティングのミスをしたことに気づく。ハイスピードコースに対応するために路面抵抗の少ないヤスリ目パターンのタイヤを選択していたのだが、コーナーでのグリップを感じられずに、思うようにスピードを乗せられない慎重なコーナーワークになってしまっている。朝の試走時には路面が程よく湿っていた影響でヤスリ目タイヤでも充分にグリップを感じられたのだが、レース時の路面は砂埃が立つほどにパフパフに乾燥していて、サイドグリップが弱いヤスリ目タイヤではコントロールが難しい。レース直前の試走を怠った自分のミスだ。ピットでバイクを交換しようかとも考えたが、シマノレーシングの横山選手にコース序盤で勢い良くかわされて早くも数秒の差を追いかける展開となり、ピットに入る余裕はなくなってしまう。

2周目からは単独となって、5秒ほど先行している横山選手を追いかける。ここで転倒などの大きなミスをしてしまうと勝負が決まってしまいかねないので、非常に緊張した。なんとかタイム差は保ったまま展開し、砂地セクションで一気にタイム差を詰めて横山選手に追いついた。


お互いに相手の苦手、得意としているセクションを見極めながらレースを進めていく。自分も徐々にタイヤの感覚に慣れ、コース中盤の低速なコーナーでは横山選手とほぼ変わらないスピードで走れるようになってきたが、序盤のハイスピードなコーナー、そして直線区間では明らかに相手の方が速い。自分が得意としているのはやはり後半の砂地セクションだが、砂地は大きく体力を奪われるために何度もアタックを繰り返すとレース後半に疲れてしまう。実際に去年は砂地で攻めすぎて後半にペースを落として横山選手に敗れているので、得意なセクションでも必要以上には前に出ず体力の温存に努めた。意外にも砂地には2番手の位置で入った方が横山選手の作った轍をトレースできるため、楽に走れることに気づく。

お互いに決定的な差を奪えないまま、勝負は後半へ。砂地に入る手前の直線で相手のペースが少し落ちたように感じたので、迷わず前に出る。スピードを上げて砂に突入し、後ろでミスをした横山選手に差を付けることに成功する。



10秒ほどのタイム差を持ってラスト2周回。やはりコース前半で差を詰められるが、砂地でなんとか取り返すという形でラスト1周へ。タイム差は5秒に縮まっている。もう一つのミスも許されない展開だ。明らかに横山選手が近づいてきているのが分かるが、砂地までの我慢だと自分に言い聞かせながら必死に逃げる。しかし最後の砂地で自ら深い轍にはまってしまい僅かに失速、もうすぐ後ろにいることは分かっているので、振り返らずに全力でスパートし、もつれそうになる脚でシケインを飛び越え、最終コーナーを立ち上がる。ゴールまでの直線が短かったことも幸いし、僅か2秒差で逃げ切って優勝することができた。

去年と同じような接戦となったレース展開から勝てたことは非常に嬉しい。体力面で去年よりも余裕があったからこそ、最後まで冷静にレースを展開することができたと思う。
ゴール後には面白いレースだったと沢山の声をかけて頂き、自分としても満足のいくレースをすることができました。

そして20日からはいよいよ世界選手権へ向けての遠征に出発します。
まずはオランダでのワールドカップを走り、本番である131日の世界選手権を万全な体調で走れるように、しっかりと調整していきます。
今シーズン、ここまで多くのサポート、ご声援を送って頂いた全ての方々に感謝しています。
本当にありがとうございました。

世界選手権でも日本からの応援のほど、宜しくお願い致します!

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

結果
優勝 沢田 時(ブリヂストンアンカー)1:03:30
2位  横山航太(SHIMANO Racing       +0:02
3位  村田憲治(tacurino.net         +1:14

写真は村山さんに頂きました。
いつもありがとうございます!

使用機材
バイク       ANCHOR CX6http://www.anchor-bikes.com

コンポーネンツ   SHIMANO DURA-ACE Di2 9070シリーズ (http://www.shimano.co.jp
シューズ        SHIMANO  SH-XC90

ヘルメット               Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ       Kabuto  PRG-3(レッド)
                                    (https://www.ogkkabuto.co.jp)

ウエア        Wave One (http://www.wave-one.com
         クロスワンピース
         
サングラス        OAKLEY (http://jp.oakley.com
         JawbreakerPRIZM ROAD
        
サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/
          レース前:ピットインエネルギージェル
                栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
                                 SAVASスポーツウォーター 
          レース後:リカバリーメーカーゼリー

ヘッドバンド   HALO (https://www.haloheadband.jp
         グラフィック プルオーバータイプ(チームヘイロ)


2016年1月11日月曜日

関西シクロクロス#9 希望が丘:レースレポート


大会名:         関西シクロクロス第9戦 希望が丘
開催日:   2016110
開催場所:  滋賀県野洲市 希望が丘公園
カテゴリー: C1
リザルト:        優勝
天 候:   晴れ
コースコンディション: ドライ

2016年最初のレースとなる関西シクロクロス第9戦 希望が丘大会に参戦してきた。
この会場は自宅から15分の位置にあり、まさに地元でのレースとなった。

最前列からのスタート。ペダルキャッチに失敗して最初の加速こそ上手くいかなかったが、落ち着いてスピードを乗せていき先頭に立つ。自分が決めたラインを正確にトレースしていくことに集中する。身体が良く動き調子が良いことが分かったので、独走に持ち込むためにスピードを上げていく。シングルトラックが多く起伏のあるコースなので、MTB選手の自分にとってはリズムが取り易い。


2周目からは狙い通りに単独での走行となるが、前だけを見てレースを進めていく。
今の自分がやるべきことは世界選手権を見据えて、常に積極的にレースを展開していくこと。
本番までの数少ないレースの中で、自分の力をしっかりと出し尽くしていくことが大事。単独で先頭を走る展開となっても、もっともっと速く走ってやろうというパワーが湧いてくる。

2周目を完了してラップタイムが65秒と聞こえたので、3周目以降は6分を切るラップタイムを出すことを目標にして周回を重ねていく。徐々にコースの特徴を掴み出し、踏み込んでスピードを乗せる場所と、無理に踏まずに休んだ方が良い場所との切り替えができるようになってきた。シクロクロスではどこで休むのかというのも非常に重要なテクニックで、ほんの数秒でもコース中に休める場所を見つけておけば、レース後半にかけてもスピードを維持できる。

ラップタイムも後半にかけて上がり、6分を切れるようになってきた。中学生の頃からレース、練習とずっと走り込んできた地元の希望が丘のコースだからこそ、今日の自分が史上最高に走れていることがよく分かる。そのことがただただ嬉しく、苦しさも感じない。
たくさんの応援にも後押しされ、最高に楽しいレースをすることができた。


今週末の関西シクロクロス第10戦 堺大会が国内で走る今シーズン最後のシクロクロスとなります。その後はヨーロッパに移動してオランダでのワールドカップ、そして今月末の世界選手権。目標は世界選手権での15位以内。非常に厳しい挑戦であることは承知していますが、残り少ないレースまでの一日一日を大事にして、最高の準備をして臨みたいと思います。

2016年を良い形でスタートさせることができました。
今年もどうぞ、宜しくお願い致します。

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時


 写真はKikuzoさんから頂きました。ありがとうございます!

使用機材
バイク       ANCHOR CX6http://www.anchor-bikes.com

コンポーネンツ   SHIMANO DURA-ACE Di2 9070シリーズ (http://www.shimano.co.jp
シューズ         SHIMANO  SH-XC90

ヘルメット              Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ      Kabuto  PRG-3(レッド)
                                     (https://www.ogkkabuto.co.jp)

ウエア        Wave One (http://www.wave-one.com
         クロスワンピース
         
サングラス            OAKLEY (http://jp.oakley.com
         JawbreakerPRIZM ROAD
        
サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/
          レース前:ピットインエネルギージェル
                栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
                                 SAVASスポーツウォーター 
          レース後:リカバリーメーカーゼリー

ヘッドバンド   HALO (https://www.haloheadband.jp
         グラフィック プルオーバータイプ(チームヘイロ)