2017年10月25日水曜日

KONYA CUP:レースレポート

大会名:            KONYA CUP
開催日:   20171021,22
開催場所:  トルコ・コンヤ
天 候:   晴れ
コースコンディション: ドライ

1日目 UCI Class3

リザルト:3位

今シーズンの最終戦をトルコ・コンヤで迎えた。
土日の両方でそれぞれUCI Class3Class2のレースが開催される。XCOの連戦と言うのは身体的にかなりハードではあるが、土日ともに安定した成績を残せば多くのポイントを獲得できるチャンスである。今シーズンの締めくくりであると共に、ポイントが取れれば来シーズンにも繋がっていく大事なレース。しっかりと体調を整え、集中してレースに臨んだ。

コースはピクニック公園とその裏山を繋ぎ合わせたレイアウト。アスファルトに砂、ガレた砂利、芝生と様々な路面が組み合わさっている。人工的な丸太セクションや立体交差も造られており、テクニカルなセクションは無いが路面変化が激しい上に平坦区間も多い。登りで踏んで、下りで休むという単純なペース配分で走るのではなく、踏みどころと休みどころを考えながらレースを展開していく必要がある。

スタートは4番目コールで一列目に並んだ。自分よりUCIランクが上の選手は3人で、トップのロシアの選手は今年のワールドカップで表彰台に乗るほどの強豪選手で頭一つ抜けている存在と言える。トルコとカザフスタンの選手は海外のレースで一緒に走る機会が多く、自分より一つ前の集団でレースを展開していることが多いので、今回のレースではとても良い目標となる。

レースは5周回と聞いていたが、スタート3分前にいきなり8周回に変更されたと告げられる。どう考えてもレース時間が長くなり過ぎるので選手からは大ブーイング。そもそも5周と8周のレースではレース前の食事等の準備も違ってくるので、このタイミングでの変更は本当に勘弁してほしい。次の日もレースがあることを考えると寒気がしたが、明日のことは考えずに今日は今日でベストを尽くそうと気持ちを切り替えた。

スタートダッシュではペダルを踏み外して出遅れてしまうが、最初の登りで順位を戻して5名ほどの先頭集団でレースを展開していく。最初の登りで力のあるロシアとトルコの選手が抜け出していくが、この動きには反応できなかった。3人の3位集団でレースを進めていく。2〜3周目は他の2人の選手の特徴を観察してレースを進める。2人とも平坦区間や緩斜面な登りは速いが、急斜度な登りでは自分に分がある。下り区間でも引けは感じない。3周目の下り始めで先頭に立って若干の差を広げ、平坦区間では脚を休めて追いつかせ、次の登りでアタック。これが上手く決まって3位単独になることに成功した。そこから1時間近くレースが続いたので精神的にも単独走はキツかったが、無事に逃げ切って表彰台を獲得することができた。上位の2人とは3周目辺りまでは30秒以内の差をキープしていたが、後半にかけて一気に離されてしまい力の差を感じた。今回のレースでは今の自分の力は出し切ることができたので満足であるが、来年のレースでも今回のような展開では面白くない。3位集団の頭をとっての表彰台ではなく、先頭集団で優勝争いをしていける力を来シーズンに向けて付けていきたい。

2日目 UCI Class2

リザルト:6位

昨日と全く同じ時刻にコース、メンバーでレースはスタート。
ただやはり昨日のレース時間が長過ぎたと判断されたのか、周回数は8周から7周になっている。今日はUCI Class2のレースであるので10位までポイント獲得のチャンスがあり、もちろんポイントの配分も高い。

昨日のレースでコースの特徴や勝負所はよくわかっているが、疲労によって脚の調子がイマイチであることはウォーミングアップの段階で分かった。条件はみんな同じであるので、自分を騙して追い込むしかない。スタートは星矢さんが抜群のホールショットを決めて先頭で飛び出し、自分は6番手ほどの位置。先頭集団の後ろではあるが、昨日のように動けている感覚はなく、登りの度に脚の重さを感じる。余裕がないために登りで前走者の後輪にハスって足をついてしまい、10秒ほど先頭から遅れてしまう。平坦区間でさらに2人に抜かれてしまうが反応できず、順位は6番手。今日の体調では粘る走りはできてもダッシュに反応することができない。トルコの選手と6位パックになって中盤までレースを進めていく。昨日の経験を生かして勝負所で確実に差を広げる走りに徹し、後半からは単独6位でゴールを目指した。UCIポイントは昨日より多い8ポイントを獲得できたが、内容としては悔いの残るものとなってしまった。

XCOの連戦は初めての経験であったが、シクロクロスでの連戦と比べると相当にハードであることが分かった。昨日のレースの疲労があったことはしょうがないと捉えるとしても、1周目に4位、5位の選手に抜かれた時に反応できなかったことは非常にもったいなかった。レースの序盤に余裕がないと、後半にかけて挽回しようと甘く考えてしまうのが自分のメンタル面での弱いところであり、海外のレースでは前半の遅れを後半に取り戻せることなど有り得ない。1周目の前走者との10秒ほどの僅かな遅れが、後半に分単位の差となって返ってきてしまう。そのことを意識して、この冬のオフトレーニングに励んでいきたいと思います。
今回のトルコ遠征ではチームとして土日ともに表彰台に登ることができ、UCIポイントも12P獲得することができました。実りある遠征にすることができたと思っています。

2017年のMTBシーズンは僕にとってエリート1年目のシーズンでした。結果的にはプロになってから初めて1勝もできない年となってしまい悔しさばかりが残ります。ただチームやスポンサー様のご理解とご協力があって海外遠征の機会を数多く与えて頂いたことで、UCIランキングでは日本人トップで終えることができました。このことは確実に2018年に向けて繋がっていくことであり、来年こそは本当の意味で日本一の選手となれるように頑張りたいと思います。アジア選手権と全日本選手権を最大の目標として、これからも走り続けます。

たくさんのご声援、ありがとうございました!

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

使用機材
バイク       ANCHOR XR9http://www.anchor-bikes.com

サスペンション  SR SUNTOUR AXON

コンポーネンツ   SHIMANO XTR Di2 M9050シリーズ (http://www.shimano.co.jp
シューズ         SHIMANO  S-PHYRE XC9

ヘルメット                Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ     Kabuto  PRG-5(ブラック)
                                   (https://www.ogkkabuto.co.jp)

ウエア        Wave One (http://www.wave-one.com
         Legge Fit Pro
         
サングラス        OAKLEY (http://jp.oakley.com
         JawbreakerPRIZM ROAD
        
サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/
          レース前:ピットインエネルギージェル
                栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
                           レース中:VAAM
          レース後:リカバリーメーカーゼリー

ヘッドバンド   HALO (https://www.haloheadband.jp
         グラフィック プルオーバータイプ(ポルカドットブラック)


2017年10月11日水曜日

UCI HC Salcano MTB Cup:レースレポート


大会名:            Salcano MTB Cup
開催日:   2017108
開催場所:  トルコ・イスタンブール
カテゴリー: UCI High-Class
リザルト:        11
天 候:   晴れ
コースコンディション: マッド

トルコ・イスタンブールで開催されたUCI High-Classのレースに参戦してきた。
High-Classレースでは1位~25位までにUCIポイントが与えられる。今回のトルコでのレースはヨーロッパでのUCIレースに比べれば選手層は薄いので、トラブルを起こさずに無事にレースを走り切れば25位以内に入ることは十分に可能である。できる限り上位に食い込んで多くのポイントを獲得すると共に、国内レースでは味わえないようなスピードや位置取りの厳しさの中でも積極的に攻めていくレースを展開したい。先週のCJ白馬のレースが良い刺激となったことで、心身ともに前向きな良い常態でレースを迎えることができた。

コースは公園の中に造られた細かいアップダウンを繰り返すハイスピードコースで、レイアウトとしてはシクロクロスに近い。もちろん自分の得意とする部類のコースである。そしてレース前日から朝方にかけて降った雨の影響で、コースコンディションは試走の時とは大きく変化した。路面が粘土質なためにバイクに相当な量の泥がへばり付くようで、ジュニアカテゴリーのレースを見ていると泥が詰まって車輪が回らずに走行不能になってしまっている選手が非常に多い。自分も過去にシクロクロスで似たようなコンディションのレースを経験したことがあるので苦い記憶が蘇った。しかし今こそあの経験を生かすときであり、今日のコースコンディションは自分にとって必ずプラスに働くはずだと前向きに捉えることができた。

泥対策としてボトルとボトルケージをバイクから外して、泥が深い区間ではシクロクロスのようにバイクを担いで走れるようにした。そんなことをしている選手は自分だけであったが、泥が付いて重たくなったバイクは押すよりも担いでしまった方が速く走れる自信があった。幸い気温も10℃台前半と低いので水分補給はそれほど重要では無く、フィードゾーンでボトルを貰ってその場で飲み捨てるようにすれば全く問題はなかった。

スタートは2列目から。海外のレースでも好位置からスタートできるのは今シーズン積み上げてきたUCIポイントを持っているからであり、一列目に並ぶワールドクラスの選手と同じ位置からスタートできる意味は大きい。反応と出だしはまずまずであったが、ヨーロッパから来ている選手を中心に最初の登りから相当ペースが速い。パワー不足を感じながらも10番手付近でシングルトラックに入る。思ったよりも深い泥ではないが、かなり滑り易くて走り辛い。1周目はポジション争いが激しいので至る所で落車が発生しており、自分も何度かタイヤを滑らせて危ない場面があった。泥の路面に苦戦してなかなか思ったように順位を上げられなかったが、乗車不可能な登り区間では自分の予想が当たってバイクを押している選手を担ぎランニングで一気に抜き去ることができた。しかし先頭は10人ほどの集団になって既に抜け出しており、あまり目の前に選手が見えてこない。先頭集団から溢れた選手を目標に追いかけていく形で2周目へ。限界ギリギリのペースで追い込んで走ることができている。泥の路面では後ろからプレッシャーをかけてくる選手がいるが、気にせずに自分のラインをトレースすることに集中。長い登りではペースに緩急をつけて走るようにして、シングルトラックにはパックの先頭で入ることを心掛ける。レースは半分を過ぎて順位は13番手ほど。前後に選手は見えているので常に良いプレッシャーを感じながら走ることができてきた。とはいえ最初に先頭集団から乗り遅れてしまっているために、前から落ちてきた選手を拾う形でしか順位を上げることができないのがもどかしい。ファーストラップから2周目にかけての位置取りの重要さを改めて感じた。担ぎ区間での毎周回のアドバンテージを利用しながら少しずつ順位を上げ、最後は11位でのフィニッシュ。UCIポイントを20P獲得することができた。

リザルトを確認すると今回のレースで優勝したオーストリアの選手は先月の世界選手権を22位(2位の選手は18位)でフィニッシュしていることが分かった。今回のレースで自分は彼らから約4分遅れでフィニッシュしている。同じ集団でレースを展開できるようになればワールドカップレベルのレースでの完走も一気に現実味が出てくると思う。今の自分の世界での立ち位置を把握したことで、この冬のトレーニングに向けての良いモチベーションを得ることができた。このレースで得た経験をこれからのトレーニングにしっかりと反映していき、次戦はさらに上位でレースを展開していけるように頑張ります。

今週末は富士見で国内戦を挟み、来週は再びトルコでUCIレースを2戦走ってMTBシーズンは終了となります。年内でポイントを獲得する最後のチャンスですので、しっかりと体調を整えていきます。

アンカーはUCIチームであり、2018年シーズンに向けて今のうちからUCIポイントを獲得しておくことには大きな意味があります。トルコ遠征によって国内CJシリーズ最終戦はキャンセルすることになってしまいましたが、多くの方のご理解とご協力によってチームにポイント獲得のチャンスを優先して与えて頂けたことに大変感謝しています。
ありがとうございました。

今後とも応援のほど宜しくお願い致します。

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

使用機材
バイク       ANCHOR XR9http://www.anchor-bikes.com

コンポーネンツ   SHIMANO XTR Di2 M9050シリーズ (http://www.shimano.co.jp
シューズ       SHIMANO  S-PHYRE XC9

ヘルメット                Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ     Kabuto  PRG-5(ブルー)
                                    (https://www.ogkkabuto.co.jp)

ウエア        Wave One (http://www.wave-one.com
         Legge Fit Pro
         
サングラス        OAKLEY (http://jp.oakley.com
         RadarEV(クリアレンズ)
        
サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/
          レース前:ピットインエネルギージェル
                栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
                            レース中:SAVASスポーツウォーター 
          レース後:リカバリーメーカーゼリー

ヘッドバンド   HALO (https://www.haloheadband.jp
         グラフィック プルオーバータイプ(ポルカドットブラック)


2017年10月3日火曜日

Coupe De Japon 第7戦 白馬大会:レースレポート


大会名:            Coupe De Japon 7戦 白馬大会
開催日:   2017102
開催場所:  長野県白馬村クロスカントリー競技場
カテゴリー: エリート男子
リザルト:       3位
天 候:   晴れ
コースコンディション: ドライ&マッド

MTBシーズンもいよいよ残り少なくなってきた。
国内シリーズ第7戦となる白馬大会の日を迎えた。
夏の間も海外を中心にずっとレースが続いていたが、国内戦としては7月の全日本以来のレースとなる。

二週間前の東ティモールではアジアの国際レースとしては初めて先頭集団で展開することができ、自分の中でも満足のいく走りをすることができた。しかし遠征を終えてからは身体のだるさがなかなか抜けずに、充分な練習ができないままでの会場入りとなってしまった。

この白馬大会から12月の全日本シクロクロスまで毎週レースが続いていくため、ここからの一戦一戦で落ちてしまったコンディションを再び上げていくことが大切と割り切った気持ちでいた。もちろんレースを走る以上は結果に拘り、ゴールまで全力を尽くすという気持ちは変わらない。そのためレース2日前から会場に入り、入念にコースを確認した。

これまでのコースレイアウトとは異なり、前半の登りは長く、その後の下りは非常に滑りやすいシングルトラックが続いていく。後半は登りも下りも短くてタイム差が付きやすい箇所は少ない。つまり最初のシングルトラックにいかに良い位置で入るかで順位は殆ど決まるだろうと感じた。身体のコンディションが万全でないこともあり、位置取りだけは失敗しないことを肝に銘じておく。

一列目からスタート。まずまずの出だしで6番手あたりに付ける。最初の長い登りで明らかにいつもより身体がきついことが分かったが、ダンシングをし続けてなんとか粘る。登り終わりで無理やりペースを上げて先頭に出ようとしたが、唯一平林選手だけは抜けずに2番手でシングルトラックに入った。先頭で入っていれば自分のペースで走って休むことができたと思うと勿体ない。下りは土が捲れていて非常に滑りやすくなっており、慎重に下っているうちに平林選手に5秒ほど離されてしまった。続く登りでも差は詰められずに、前田選手と平野選手にも抜かれて順位を4番手に落とす。そのまま1周目を完了した。

思うように走れていない自分にため息が出そうになるが、とにかく最善の走りで前を追いかけていくしかない。前半の登りはとにかく我慢して遅れを最小限に留め、シングルトラックをスムースに走ってタイム差を詰めていくしかなかった。泥のセクションでは全周回を通じて殆どミスなくクリアでき、シクロクロスの動きが生きていることを感じた。なんとか2位グループから10秒ほど遅れる位置では走れていたが、平林選手とのタイム差はどんどんと開いていってしまう。

3周目のシングルトラックで前田選手が転倒したことで3番手に上がり、2位の平野選手とは15秒ほどの差で4周目へ。身体はレース強度に慣れてきたのか前半よりも動くようになってきたが、上位2人と比べると長い登りが走れていないのでタイム差を詰めることができない。そのまま単独3番手でフィニッシュとなった。

やはりやってきたことが結果として現れるのがレースであることを強く感じた。無難にまとめることしかできなかった自分の走りが悔しい。心身ともに刺激が入ったことは間違いないので、もう一度しっかりとレースに向けた身体を作っていきたいと思います。
今週末はUCIポイントを獲得するためにトルコでレースをしてきます。

会場での応援、サポートありがとうございました。

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

使用機材
バイク       ANCHOR XR9http://www.anchor-bikes.com

コンポーネンツ   SHIMANO XTR Di2 M9050シリーズ (http://www.shimano.co.jp
シューズ         SHIMANO  S-PHYRE XC9

ヘルメット                Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ     Kabuto  PRG-5(ブルー)
                                     (https://www.ogkkabuto.co.jp)

ウエア        Wave One (http://www.wave-one.com
         Legge Fit Pro
         
サングラス        OAKLEY (http://jp.oakley.com
         JawbreakerPRIZM TRAIL
        
サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/
          レース前:ピットインエネルギージェル
                栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
                            レース中:SAVASスポーツウォーター 
          レース後:リカバリーメーカーゼリー

ヘッドバンド   HALO (https://www.haloheadband.jp
         グラフィック プルオーバータイプ(ポルカドットブラック)